1.高度人材ビザ(高度専門職)は、3つの活動区分に分かれています。
①高度学術研究活動「高度専門職1号イ」は、相当程度の研究実績のある研究者、科学者、大学教授などが研究・教授活動に従事する場合に付与することを想定している在留資格です。
主活動として、特定の日本の機関との契約に基づいて行う研究や研究の指導、教育をする活動(高度学術研究活動)と、それに併せて、その研究などに関連する事業の経営や他の機関で研究活動を行うことも認められるなど、複合的な在留活動が許容されます。例えば、バイオテクノロジーを教える大学教授の仕事を続けながら、創薬ベンチャー企業の役員として経営に参画するといったことが考えられます。この場合、主活動と関係のない飲食店などの経営には参画できないことになります。
②高度専門・技術活動「高度専門職1号ロ」は、医師、弁護士、情報通信分野などの高度な専門知識などを有する技術者などが専門的な就労活動に従事する場合に付与される在留資格です。
主活動として、特定の日本の機関(会社など)との契約に基づいて行う自然科学や人文科学の分野の知識や技術を必要とする業務に従事する活動(高度専門・技術活動)と、それに併せて、その主活動に関連する事業の経営を自ら行うことも認められるなど、複合的な在留活動が許容されます。
高度専門職1号ロの活動の対象範囲は、技術・人文知識・国際業務ビザで認められる範囲に似ていますが、国際業務のカテゴリーは含まれません。しかし、技術・人文知識・国際業務で除かれる、教授、芸術、報道、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、企業内転勤、介護、興行に対応する活動が含まれ得ますので、極めて幅広い活動が可能になります。
③高度経営・管理研究活動「高度専門職1号ハ」は、相当規模の企業の経営者、管理者などの上級幹部がその企業の経営・管理活動に従事している場合などに付与する在留資格です。非営利団体の経営・管理の活動も含まれます。
主活動として、特定の日本の機関(会社など)で経営や管理の業務を行うことと、それに併せて、その主活動に関連する事業の経営を自ら行うことも認められるなど、複合的な在留活動が許容されます。例えば、同業他社の社外取締役に就任したり、子会社の経営者を兼務することなどが想定されます。
*高度人材ビザには高度専門職2号と言われる在留資格があります。これは、高度専門職1号イロハで認められた在留活動が全て行うことができるなど、活動の制限が大幅に緩和され、かつ、在留期間が無制限となっている在留資格がある魅力的な資格です。高度専門職1号イロハで3年以上在留した高度人材外国人を対象となります。